水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

墓地に想う

私は間もなく73歳になる。以前から一家の主として「墓」について意見を求められてきた。高校を卒業し岐阜の田舎から東京に出て家を構えた。今は亡き父が生前、私の墓をどうするか考えていたようで、故郷に「墓地」を持たせたいと考え、用地を確保していた。…

電柱と景観

先日(11月10日)の読売新聞に写真家、港 千尋氏の記事が掲載されていた。記事のタイトルは「考景・2017、電柱」であった。見出しに「異常な多さ、日常風景に」とあった。見慣れてしまっている電線のある光景に何の疑問も持たずに生活している人には、添付されて…

展覧会巡り  9

葛飾北斎展 「パフォーマー北斎、江戸と名古屋を駆ける」 を見る 10月20日、すみだ北斎美術館に足を運んだ。葛飾北斎は、江戸の下町墨田で生まれ、90歳まで画業を全うし、それでなお「未熟」を口にして亡くなった。今から200年前の57歳の時には名古屋で大ダ…

東海道五十三次  今・昔  その13

長らく夏休みをしていましたが秋風に誘われて、またぞろ一人旅など「あるき;歩き、或る記」がしたくなって宿場巡りに出て行きました。夏前に辿り着いた宿場は掛川(6/14-16)でしたので、その続きの上洛・京上りとなります。 この夏はいろいろなことがあり…

Stadt + Grün No.6

暫くご案内が滞っておりました海外研究情報、ドイツの造園行政機関誌「都市と緑」(Stadt und Grün)の、その後の内容報告です。前回までに2017年8月までご案内しております。今回は9月号の内容のご案内です。 公園緑地に多くの歴史的遺産が共存する例は少なく…

展覧会巡り  8

年金族は自由時間が沢山あって、「良いですねーー」って言葉が返ってきそうです。好き勝手な内容、時間、そして長い報告文。どこを向いて書き連ねているのかよく分からないですね。自分勝手に思いつくまま、気の向くままに書きなぐっています。 巡り巡って8…

展覧会巡り  7

芸術の秋は絵画展、科学展など多数の催し物が企画され、大都市東京の大小、公私を織り交ぜて、いろいろな美術館、博物館で開催されています。今回は日本画の代表的な「琳派」の作品を見ることにしました。「琳派」は京都で活躍した尾形光琳を中心とした流派…

Stadt + Grün No.5

ドイツの造園専門誌の内容レビューが暫く止まっていました。秋口になり、5月以降の雑誌が溜まってしまいました。大学も後期の授業が始まりました。キャンパスも再び賑やかになり図書館もいつもの姿に戻っています。今回は、S+Gの続編になります。雑誌の5月…

最近の心配事

食欲の秋、読書の秋、錦秋の景観など素敵な季節の到来となっていますが、日大造園研の卒業生の皆さん、お元気でお過ごしのことと思います。食欲も読書も、また素晴らしい景観を楽しむ「旅」も健康であればこそ十分に味わうことが出来ます。自らの歳もあって…

展覧会巡り  6 

芸術の秋、食欲の秋、天高く馬肥ゆる秋、読書の秋、いろいろ例えられる秋になりました。今年の夏は本当に不純な天気が続き、雨が多く晴れ間の極端に少ない夏でした。 昔、大学院時代に知り合った芸術一家の方と親交を深めており、毎年公募展の招待状を戴きま…

展覧会巡り  5

前に「展覧会巡り 1」で雪舟と等伯の水墨画展について書きました。日本文化の多くが中国の影響を受けていますが水墨画も同様、宋、明時代(日本で室町時代)に発達した禅宗や中国の墨画との繋がりが深く牧谿や夏珪、周文、刑浩の名が知られています。矢代幸…

我が家の庭の歴史; 身近な緑とは 2

庭や公園の竣工時には植栽工が完成形で納められる場合が殆どです。建物周りが植物(樹木や草花)で埋め尽くされ、ともすると低木が密植、植え過ぎであったり、高木の支柱がやたらと目立って外部造園空間の美しさが台無しになる場合も少なくありません。また…

我が家の庭の歴史;  身近な緑とは  1

小さな面積で大きな緑を作り上げるには、どうしたらよいのでしょうか? 日本の都市では狭い空間に多くの人が住んでいるため、緑を増やすのに大変苦労しています。街路樹一つとっても歩道や車道が狭く、すぐ近くに建物が接しており自由に枝葉を広げ大きな緑を…

展覧会巡り  4

不染 鉄という日本画家を知っていますか? 新聞の記事(7月22日の読売新聞朝刊、時の余白に;編集委員芥川喜好)の見出し「放浪の果てに浄土あり」に魅かれて読み興味を持ちました。それは日本画家、不染 鉄の展覧会(没後40年、幻の画家「不染鉄」展;東京ス…

最近見た映画あれこれ

年金生活に入って厚遇されることはシニアとしての優待、特典ですかね。60歳、65歳か70歳か、現代社会では線引きの難しさもありますが、年金についても、早く貰うか遅く貰うかどちらが良いか思案しどころです。人の平均寿命と関係があったり明日への命の保証…

展覧会巡り 3

ライバル、日本語訳では「好敵手」のことを言う。個々に素晴らしい能力を持ち、その分野で頂点を極めるような活躍をし、多くの作品を世に出して時代を生き抜いた仲間。どの世界にも、どの時代にも関係する分野の発展に関係し、注目を浴び発展に大きく貢献し…

展覧会巡り  2

展覧会巡り 1では、室町時代から江戸初期までの水墨画、その時代の2大巨匠雪舟(1492-1506)と等伯(1539-1610)を見てきた。展覧会巡り 2では、偶然、本当に偶然で、ほぼ同じ時代、イタリアのルネッサンス期を代表する2大巨匠の素描展を見ることが出来た…

展覧会巡り  1

「水墨画」と聞いて思い出すのは、昔、自宅の床の間に下がっていた掛け軸の絵である。墨絵と漢詩が混ざった静かな佇まいの風景を描いた軸が季節に合わせて掛けられていた。当時はただ何となく、その日本間の空間に合った物、装飾的な感覚で見ていただけで内…

東海道五十三次 今・昔  その十二

第三日、この日も朝から快晴、ホテルの朝食は6:30開始なのですがスケジュールを早めるために時間より早くフロントに降りて朝食を早めてもらいました。この日の工程は14.3kmとやや少なめですが、牧の原台地を上り下りして坂道が多く、宿場を巡るために、意外…

東海道五十三次  今・昔 その十一

第二日目は18.4kmと短くなりました。というのも歩き旅では宿間距離、旅館の有無、日程と最寄駅(JRなど)の関係から歩く行程と宿を事前に決めます。この日は藤枝宿から金谷宿までの13.4kmにしました。金谷の先は日坂(6.4km)その先は掛川(7.9km)となり、…

東海道五十三次  今・昔  その十

駿河の国(静岡県)は東西に長い国です。前回、箱根峠を越え駿河国に入ってから府中(静岡市)まで9宿を(3泊4日)歩き一旦自宅に戻りました。体調を整えて今回は府中から掛川までの8宿(府中、鞠子、岡部、藤枝、島田、金谷、日坂、掛川)を2泊3日で歩…

庭園博覧会(都市緑化フェア)に関連して

先日、ドイツの庭園博に類似した都市緑化フェア2017・横浜が終了した。毎年恒例で日本のどこかの都市で都市緑化、花と庭と公園を主題にしてフェアが開催されてきている。都市公園を中心に、花と緑を都市の街中に広げ、新しい緑の役割を市民に理解してもらい…

新緑の裏磐梯五色沼  その3

「タモリ」は今を轟くお笑いタレント、司会者、キャスターなど多彩な能力を持つ有名人で、年齢は私より1歳若いが既に70歳を越えている。NHKの「ブラタモリ」は良く知られた人気番組で、彼が訪れる所で地域の特徴を的確に捉え視聴者に伝えていることで知られている。彼…

新緑の裏磐梯五色沼 その2

旅で最も嬉しいことは、朝から晴れ間が広がり快適なそよ風が頬を撫でることではないだろうか。風景が一段と美しくなるばかりか心浮き浮き足取りも軽くなる。それとは真逆の、雨天では気持ちどころか体も乗らず浮かない。裏磐梯第2日目は、朝からそんな日に…

新緑の裏磐梯五色沼 その1

国民休暇村は国立・国定公園内に造られた宿泊施設で、四季を通じていろいろな利用に使われ人気がある。1961(昭和36)年、自然公園法に基づき国立・国定公園内に設置され野外レクリエーションの利用に供するため集団施設として整備され、公園計画に基づいて作られ、…

東海道五十三次  今・昔  その九

風薫る5月の旧東海道上洛、箱根を越えるまでは自宅から通いの街道上りでしたが、箱根を越えて「通い」は無理、今回の歩きは宿泊型にしました。3泊4日を基本にプラニングし、事前に宿泊先を予約して計画に沿って歩くスタイルです。凡そ1日20-22kmを基本とし…

東海道五十三次 今・昔 その七

旅の俳人、松尾芭蕉が奥の細道の旅へ出発した日は5月16日だったようで、この日は「旅の日」になっています。期しくも私の旧東海道歩き旅、第7回目の出発もこの日になりました。第6回目同様、早朝一番電車で柿生駅を出発、小田急線湯本で6:57発のバスに乗り…

東海道五十三次 今・昔  その八

第二日目は、沼津から吉原(16.4km)です。ビジネスホテル近くの喫茶店でモーニング朝食し、7:30に吉原目指して出発。昨日歩きを終えた沼津廓通りから宿場本陣跡を雁行し、西に進路を取りました。ここから先は左手駿河湾に面した千本松原をすぐ近くに見据え…

Stadt + Grün No. 4

しばらく海外の専門研究誌紹介情報が遅れていますが、ドイツの造園専門誌2誌(Stadt u. Grün、Garten u. Landschaft)は月刊誌、それにNRW州の自然保護機関誌は季刊誌なので、その内容の概要紹介は結構大変です。それぞれの内容を詳細に紹介するには時間がか…

富士自然教育センター:  貴重なる蔵書・資料

日本庭園史にその名を残されている吉永義信先生のお名前をご存知の卒業生の方、何人ほどおられるでしょうか。先生に教えを受けた人達の多くがすでに亡くなられています。先生は、東京大学農学部を卒業され日本庭園史に関する調査研究を進めてこられましたし…