読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

NRWの自然(Natur in NRW)  内容紹介  

 定期刊行物であるNRWの自然(Natur in NRW;季刊誌) 2016年No.4号と2017年.No.1号の内容について報告する。

2016.4号の特集は「各種草地の保護;Grünlandschutz)」について報告している。ドイツでは草地(Grünland)として、放牧牧野、刈り取り牧野、河川や道路の土手の草地、農耕地周りの草地などがある。その草地におけるNRW州での種多様性の高い草地の在り方、土手草地の種の多様性、刈り取り草の再敷設(利用)、Gütersloh郡における草地保護(総合的種保護)について特集している。

2番目にはNRW州における生物多様性の先駆的取り組み(州農業組合による新規プロジェクト:耕地の郷土種による粗放的牧野造成、道路局では慣例の景観保全措置Landschaftspflegericher Begleitplanの代償措置など)が紹介されている。

他に、シシウドのような嫌われ植物の対処法、2016年の樹木である冬菩提樹(Winterlinde;Tilia cordata)のいろいろな用いられ方について(材から蜜源まで)報告している。

本号の記事には、2016年11月9日に州自然保護法が成立し、①ビオトープ関係地区を州の11.6%から15%へ、②永続的草地の減少を防ぐと同時に放棄耕地を増やさない、③価値の高い低湿地・湿地牧野の保護、④自然保護地区内の州による用地先買いと自然遺産へ、⑤国有林内における100ヶ所の野生化地区で種の保護を推進する、が主要点である、とする記事。

連邦環境省(Bundesumweltministeriu)から環境プログラム2030が出された記事。ドイツ自然保護連盟(Naturschutzbund Deutschland)が将来にわたっての新しい農業要請(Agralförderung)を出した記事。州におけるヨーロッパトネリコ被害の拡大の記事。等各種掲載されている。

 

2017年1号では、特集として、カワセミの営巣壁(崖状の土壁)にどんな土が良いかの調査報告、州内の湖沼の崖地におけるヨーロッパアマツバメの調査報告、ライチョウ、オオカミの生息状況、emwiromental DNA(e-DNA)に基づくザリガニ(Aphanomyces astaci) とドジョウ類(Misgurnus fossilis)を対象としたライン川残跡湖での結果が報告されている。

また、2014年6月に襲った超ド級の暴風(風速142km/時)ELAによるエッセン市有林被害の市民参加による回復について、樹林の方向性(自然保護林)、樹木の取り扱い、植栽の目標と方法、維持管理法、森林利用(レクリエーション)などについて報告。

短報として①NRW州で用いる郷土種(ドイツ連邦自然保護法では2020年3月1日より郷土種(gebietseigene Gehölze)による緑化(freie Landschaft=オープンスペースにおける)が義務化されることに伴う州での対応について、②ラインラント地域における牧野(Grünland)の歴史(石器時代~中世)、③都市内における公共緑地の野生草地化の試み(ケルン市の緑地において2016年より)などが報告されている。

①郷土種に関する報告の詳細を知りたい人は次のアドレスへアクセスしてみてください。

nicole.menden@mkulnv.nrw.de     

Nicole Menden氏はNRW州の森林・営林局(Waldbau,Klimawandel im Wald, Holzwirtschaft Ⅲ-2所属)。

 

 他に、この号(2017.1)の記事には①10年前(2007年)の暴風(Kyrill)で地域全体で15.7百万m(fm)、5万haの森林倒木被害のその後の状況(93%針葉樹→落43%針57%へ)報告があり、また、②農耕地縁辺部自然復元のプロジェクトの報告、③ヨーロッパレベルでの種の保護の重要性(特に湿原;絶滅危惧種の3/4がある)などが載せられている。