水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

東海道五十三次  今・昔   その21

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 人生、持つべきものは友と親兄弟、困った時に頼れるのは兄弟であることを実感しています。草津の宿泊が5月の連休で不可能となった「東海道歩き」、助け舟を出してくれた弟に感謝です。ゆったりとした朝、いつものように6:30には起き出して最後の東海道の歩みに出発しました(7:30)。今や大手電鉄会社のお荷物路線と化した近鉄揖斐線池野駅、第三セクターに委ねられて細々と走らせていると聞きました。JR大垣まで運んでくれ乗り換えて8:11の米原行快速に乗りました。米原駅で新快速明石行に乗り草津へ。草津には9:20に着きました。交通費は何と宿泊費の半分、時間を取るか費用を取るかで決断が分かれる所ですが、今回の選択は後者で正解でした。

 駅から足早に昨日のエンドポイントへ移動し、草津追分の写真を撮りました。追分道標は1816年に建てられており、「右 東海道いせ道  左 中山道美のぢ」と書かれています。例によって朝早すぎて国指定史跡田中本陣跡は見られず通過、連休中日の晴れの日で宿場街道筋商店街は忙しそうでした。街道交流館も家康の宿所の常善寺も同様に素通り、樹齢400年のウラジロガシや鹿の狛犬(?)があると記された立木神社に立ち寄り今回の東海道歩きの無事達成を祈願しました。しかし、どこを探してもウラジロガシなるものが無く、神官に尋ねたら昨年枯れたので新植(神職;オヤジギャグ)したとの事。残念?無念?当然?

 最終日は草津~大津(15.1km)、大津~三条大橋(10.7km)の25.8kmです。結構ありますし、スタートが遅いため達成が夕方になると予想されました。出来るだけ脇目も振らず急ぐことに。立木神社の少し西、京都よりが草津宿京口で黒門があったようです。伯母川を渡り出発から4km地点で弁天池が現れました。琵琶湖竹生島から勧請した弁財天を祀っているとの事。小さな中島は木立で覆われていましたがカワウが巣を作っていて糞が木々を汚して綺麗な光景ではありませんでした。池にもカワウが泳いでいて場違いな街中の風景でした(竹生島のカワウの糞害はどこでも似たような問題が発生していますが、憤慨です)。

曲がりくねる一里山地域を歩き大江町から直角に2度曲がって瀬田川の左岸地区へ。

 瀬田の唐橋写真A)は琵琶湖から流れ出る瀬田川に掛けられた天下三大名橋の一つで立派な橋、瀬田川でボート、カヌーの練習をする若者の姿が印象的でした。渡り終えると8km地点、予定通りで道は京阪電車石山線を縫うように続きます。膳所市街地は琵琶湖、瀬田川の縁に発達した城下町です。膳所城は家康が西国守備と瀬田の唐橋を守るために築城した城との事、枡形、折れ筋道、交差する街中の道で方向も東海道自体も分からなくなる程でした。街中を歩く途中、手作りパン屋がありコッペパンを数種買い求め、途中石坐神社境内でお昼にしました(13時;12km地点)。膳所城下(城下の西口)近くに義仲寺がありました写真B)。ここは木曽義仲の墓と芭蕉の墓があり、こじんまりした日本庭園と草庵があり句碑が多く建っていました。芭蕉は義仲を敬愛していた関係で大阪で亡くなりましたが(1694)遺言で義仲寺に葬られています(木曽殿と 背中合わせの 寒さかな)。

 大津市街地(かって大津百町と言われるほど大きく賑わった街)を抜け、京町で道は2本に分かれ北の道を小関越(4.2km)、南、国道筋を大関越として京へ繋がっていました。道は両側から山が迫っており、5kmの峠越え道(逢坂山道)を登り、下り京に向かいました(この道沿いに、かの有名な盲目の歌人蝉丸を祀った蝉丸神社の上・下・分社がありますが、アクセスと環境があまり良くないためか、今は訪れる人も少ないようです)東海道国道1号線名神高速京阪電鉄線と平行しており、峠は近江国山城国の境となっています:写真C逢坂山関所は伊勢の鈴鹿、美濃の不破と並ぶ天下の三関と言われたようです)。出発から17km、時計は午後2時を回っていました。

 関所を越えて下ると追分の道標があり、奈良街道との分かれ道(右 京都、左 伏見)を過ぎて遂に京都市に入りました。JR山科駅前を通り、五条分かれを右にとって京三条通りを進みました。東海道は九条山の麓、谷筋を北に向かい、今は府道143号線の道となって南禅寺南の蹴上まで伸びていました。このあたりから旅行客、観光客が目立ち始め蹴上では一杯。残すところ三条大橋まで1.5km、西日に向かって緩やかに下る道を観光客尻目に東海道の歩き旅人は急ぎました。

 着きました!、凄い人混みです(写真D)。観光客、市民、旅行客などなど、老若男女・日本人・外国人、国際観光都市京都、5月の連休、何もかもが重なって京都の夕暮は大混雑でした。

 物見遊山の一人旅人、歩き疲れて カメラを持って ウロウロ。あんた何してんの?

写真を撮ってと頼む人を探してキョロキョロ、男・女? どの人が日本人でカメラや携帯で写せるの? 橋の上を歩き回ること10-15分、遂に頂きました最後の一枚(第2枚目)。

 この写真を写すために歩いてきたんです(涙・感激)。実質、踏破26日、今日は43.500歩ですが、平均1日35.000歩で計算して910.000歩になります。多い少ないを入れて百万歩ですかね~。

 良くやりました。良く歩きました。73歳最後のチャレンジでした。ご苦労様!!!

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