水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

向日葵 雑感

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6月5日以来の「お知らせ」コーナーです。カテゴリーに「お知らせ」がありますが今回は思うがままに「向日葵」を書いてみました。

 「ひまわり」と言えば画家の ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1853-1890)でしょう。35歳の頃の名画で、南フランスの太陽の象徴として描いたと言われています。7枚同じモチーフで向日葵を描いていますが世界に現存するのは6枚の様で、その内の1枚は新宿にある東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館にあります(先般、ターナー風景の詩、展覧会の折に見ました)。

 暑い夏に元気な姿で人々を励ますような「ひまわり」もいろいろな捉え方、感じ方がありますね。

「日まはりの 花心がちに 大いなり」 (正岡子規

「向日葵の ゆさりともせぬ 重たさよ」(北原白秋

「向日葵が すきで狂ひて 死にし画家」(高浜虚子

 今年の夏は猛暑、酷暑、炎暑続きの毎日、35℃を越える気温にとても外で自然を楽しむ気持ちにはなれませんでしたね。涼しく冷房の効いた美術館や水族館で時間を過ごす方が(年寄りには)良かったですね。でも、そんな猛暑でも、一歩も動けない植物にとってこの暑さは耐える以外に生きる術は無かったのです。それを乗り越えて見事に花を咲かせています。

 川崎市麻生区の市街化調整区域内農地(都市内の緑・オープンスペース)でも「景観作物*」として「向日葵」が植栽され、旧盆会に合わせて満開になり近隣の人達に人気を博しています  (8/16の新聞記事で紹介:3区画/6000㎡/10万本の田圃で満開;  添付写真)。

 少し陽射しが弱くなり、折からの風で暑さも幾らか和らいだ午後に、その場所を訪れてみました。午後も夕方近くであったため、ヒマワリはどれも頭を下に下げ俯いて風に揺られていました(写真の題材にはいまいち)。水田の再利用ですが、連日の好天で田圃は乾いてカラカラ、向日葵畑の中に入って行くことができ、身近に子供の顔の大きさ程もある花を細かく見ることが出来ます。

 向日葵には、晴天と無風が必要です。抜けるような空の青さ、真っ黄色の向日葵の花、それを取り巻く緑の葉。満開前の数日間と真ん中が種で黒くなる開花後の数日が見頃でしょうか。

 栽培し易いので小学校の花栽培実験にも良く使われ、また、花が少ない暑い夏の花として百日紅(サルスベリ)や朝顔と同様、人気があります。

 来年でも、猫の額ほどの陽だまりがあったら、苗を(種からでも)植えてみてください。暑い夏に元気が貰えること、請け合いです。

*「景観作物」;農水省の休耕田対策の一つとして、農村景観を表すような開花植物(農に関連する花を育て、土地を荒らさず風景としても楽しめる作物を推奨し農家に栽培育成を依頼する施策;レンゲソウ、ヒマワリ、ナノハナなど)

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