水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

都市近郊の緑地 1

 

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  都市近郊の二次林、雑木林、故郷の林、いろいろ例えられる林。40-50代の考え方が少し変わってきています。時にには、静かに自然の中で本を読んだり家族と共に時間を感じ取ったり自由な時間を過ごしたいと、そんなことのできる場所を求めてきています。まして家庭を持った20-30代の若者家族の人生観も少し変わりつつあるようです。

  仕事か家庭か、決まった無味乾燥な時間か、自分で変化に富んだ時間か。

 週末になると、車を駆って郊外や少し離れた農村へ自然や静けさ、地域文化を求めて出掛ける傾向が生まれてきています。4月6日の読売新聞に、都市と農村「2拠点生活」の記事が載っていました。都市と農村などに生活の拠点を2か所持つ「デュアルライフ=2拠点生活」を始める人が増加傾向にある。2018年には171.000人、2011年の倍近くに上るとありました。以前は避暑地や別荘地のスタイルが中心だったのが、最近はサーフィン、農業など趣味や子育てを楽しむために居住環境を考える人、自然が多い環境で家族そろって生活する傾向が増えているとしています。

 都市周辺で昭和の農村の佇まいや自然が残る場所は、「超工業化都市社会」では掛け替えのない場所になっています。遠出のできない人でも身近に自然や昔の農の風景が残っているところは、気分が落ち着きます。なんとも言えない安心感や心の安らぎが得られるように思います。そんな場所では思いがけない時に、思いがけない事象が迎えてくれます。それは「自然であり・いろんな動植物たち」でしょう。

 

 桜は葉桜に変わりましたが土手には春を告げ、謳歌する草花が一斉に花を咲かせています。先日、春植物の便りを書きましたが、4月中旬から寒さも無くなり、野の草花は競うように花盛りです。寺家ふるさと村では、ニリンソウが花盛り。木漏れ日のあるうちに花を開き実を結ぶのに一生懸命な植物です。この頃、暖かい日が2日も続けば雑木林の中は、あっという間に樹木の葉が芽吹き、展葉し林を覆ってしまい、林床に陽が差し込まなくなってしまいます。

 寺家ふるさと村へ1週間ぶりに足を延ばしてみました。丘陵斜面樹林裾の草地では、ホウチャクソウが一斉に茎を伸ばしていましたし、いろんな野草が我先に丈をのばしています。樹林の中では、落葉樹の葉が広がり始め、明るさが少し減ってきています。谷戸頭のようなところは少しじめじめしていてニリンソウAnemone flaccida)が開花しています。白い小さな可愛い5弁花です。白が良いんです。白だから良いんです(黄色だったらガッカリです、私見)。

 

 日曜日の午前中、薄日が差す中、多くの人が散策していました。老夫婦、若夫婦、犬を連れた老人、子供と犬を連れたお父さん、カメラを担いだ男性独り、ハイキング姿で歩く一人のご婦人、みんなそれぞれの思いを持って散歩しています。地鳴中のウグイス、静かな立ちんぼのサギ。木々を揺らせて林を渡る春風。みんな満足そう、楽しそうです。

 

 週末の都市郊外の雑木林やその中を伸びるトレイル(径)には、どこもこんな風景が見られるでしょうね。景色を楽しみ、春の風情を感じ、想いをめぐらし、自分の境地に浸っているようです。樹木や草花の名前なんか二の次。この雰囲気を、風景を楽しんでいるのです。

 少し歩き疲れたら、陽だまりの草地に座って、持ってきたお菓子か🍙を食べるのも良いでしょう。座った周りにも花をつけた野草は、青、白、黄色色々ありますよ。