水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

韓国映画「工作」を見て

 現在の日韓関係ストーリーの話題性、それに知らされない北朝鮮の姿に興味があり、韓国映画「工作」を見ました。一時代前の韓国における実話に基づいて制作されたスパイ・サスペンスの映画でした。映画のチラシに書かれた言葉は、北に潜入した工作員が見た、北の真実と祖国の闇とは? 今、暴かれる歴史の裏側ーー実話に基づく衝撃の問題です。実話に基づくに魅かれて、近くて遠い国、実態がよくわからない国、核を保有し力で諸外国と対等に取り扱うよう求める北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)を舞台にした映画を見ることにしました。

 実話に基づくとありますが、舞台は1992年から1997年の韓国、北朝鮮金正日主席時代)を舞台にした物語です。南(韓国)から北(北朝鮮)へ潜入し北の状況を調べるスパイと北朝鮮の対外経済委員会所長との戦いを中心に描いています。片や核開発の実態を探るべくいろいろな手段を駆使して当局に近づく工作員、対するは国を守り外貨を稼ぎ経済を良くしようとする担当所長。

 韓国軍の中佐が、地位と生活を捨て民間事業家に姿を変え北への侵入を試みます。その背後には韓国の国家安全企画部があり、微に入り細に入り情報を伝えながらスパイに色々な活動をさせ、北の動きを探っていきます。北は外貨獲得のため、いろいろな手法を使い動きます。その間の折々の政治情勢、事件を交えながらスパイ活動が続き、商品流通、地域開発などを提示しながら最高権力者(金正日)に近づき、外貨獲得策を提案・進言します。一触即発、生と死が背中合わせにある中で巧みに所長と意志疎通を図り動こうとするうち、母国・韓国の政治情勢変化によりスパイ工作に気づかれそうになり、北から逃れなければならない状況になります。間一髪、北を脱出することができた裏には、所長の心ある機転があったことをスパイは知ります。同時に両者は政治の急激な変化により互いに立場・消息がなくなったものの、数年後、二人が同じ立場で同じように北と南の交流事業で再会するラストシーンは、映画監督や関係者の祖国(同じ民族)に対する熱いメッセージが描かれていると感じました。俳優の演技やストーリの流れなど、なかなか見応えのある映画でした。

監督はユン・ジョンピン、主演はファン・ジョンミン(パク・ソギョン;南のスパイ)とイ・ソンミン(リ・ミョンウン;北の所長)。

 

  映画から離れ現実に戻ると、今の韓国の複雑な状況が伝わってきます。米朝会談、米韓会談、韓朝関係、北への経済制裁、北核開発、国連決議などなど、列強に囲まれ、国としてどうあるべきかよくわからない点が出てきます。現在の世界情勢、東南アジア、東アジア、いろいろな枠組みの中で色々な問題が複雑に絡み合い、ニュースになり伝わります。

 時に、何がどこまでフィクションで、何がノンフィクションなのかわからなくなってしまいます。

南や北極海へ進出・拡大を目論むソ連・ロシア、世界へ覇権を広げ、太平洋に繰り出したい中国。極東は、今後、将来どんな方向に進んでいくのでしょうか。望むらくは平和な世界へ少しづつ、進むことを祈るばかりです。

 

この映画の舞台になった時代について;

1988 盧泰愚大統領(1998-1993)  光州事件  ソウル・オリンピック

1990

1991 南・北 国連加盟

1992 北朝鮮の核開発進み、両国間で緊張が続く

1993 金泳三(1993-1998)大統領

1994 北で核開発拡がる

1996

1997  大統領選挙 

1998     金大中大統領(1998-2003)  北朝鮮との融和施策(太陽政策

1999    国家安全企画部廃止

2000  6月南北首脳会談 

2002  日韓ワールドカップ開催  日朝首脳会談 

2018  平昌五輪 南北首脳会談

2019