21-1に引き続き各報告の概要;報告者と連絡先、を以下に示します。
1. ノルトラインー ウェストファーレン州における蝶類
1. Tagfalter in der Gesamtlandschaft Nordrhein-Westfakens
報告者=Christoph Grueneberg 他2名; christoph.grueneberg@lanuv.nrw.de
ノルトライン・ウエストファーレン州における蝶類について、の報告です。この報告はオスナブリュック大学と州政府の共同調査研究による昆虫類モニタリングの成果です。2017年のクレフェルトにおける調査結果の後、オスナブリュック大学と州政府の共同研究プロジェクトが立ち上がり、2019-2012間の調査結果が出されました。調査の結果を待つまでもなく、ヨーロッパでは地球温暖化により、昆虫相の貧化が指摘され、特に中西部欧州の農業景観(Agralandaschaft)における減少が指摘されています。今回の調査は特徴的な農業景観(例えば畑縁辺部、牧野縁辺部農道、森林内の小道など)で重点的に行われました。ここでは同時に鳥類、双翅目昆虫などがビオトープと対応させ調べられました。
調査地は6年毎に調べられ2期目にN-W州全体に及びます。調査は1.5kmのトランセクトが設定され、5月から8月中旬までの晴れの時、10:00-17:00まで調査ルート線の両側2.5m(左右で5m幅)で行われました。
調査の結果、67種、24,456頭確認、うち、38種はN-W州の危惧種でした。実数の2/3(71%)、95種は州既存種で、自然保護対象種8種も含んでいますが生息密度は極めて低くなっています(0.6=1.000㎡)。今回の調査は牧野が多い北部低地や南部隣接州山間部を含んでおらず、居住地域と畑作地域中心の州での結果です。
今回の調査の結果、貧栄養の草地や極乾燥牧野の重要性が指摘され、その立地が山間部樹林地帯や畑作縁辺部にみられることから今後の対応では、蝶類の生息に関連するそういった農業地域の環境政策と居住地域での自生種、緑化種の確保、拡充がより重要になることが指摘されています。
2. Monitoring der Biodiversitaet flugaktiver Insekten in NRW
2.NRW州における双翅目(バッタ類:昆虫相)のモニタリング
報告者=Thomas Hoerren 他13名; thomas.hoerren@koleopterologie.de
この報告はNRW州政府とクレフェルト昆虫学協会の共同調査研究の成果です。2014年にすでに両団体では飛翔性の昆虫相について共同で州内の保護地において調査を行ってきており、2017年Hellmannらにより報告されています。今回のこの調査結果は、2022年、101か所の自然保護調査地点で行われ、以後、州政府とひき継ぎ、さらにDNA調査へ引き継がれています。
種の同定はDNA法(DNA-Metabarcoding)を用いて行われ、-すでにドイツ国内で13.076種はバーコード化されデータバンク化されています。NRW州でも3,854種はデータバンクに登録されています(German-Barcode-of-Life-Initiative:GBOL)。ドイツでは34.000種以上、NRW州では25.000種以上が記録保全されています。調査地区では同地の植生調査、土地利用調査なども並行して行われデータを支えています。
日本の状況はどうなっているのでしょうか。ドイツではこの報告にあるように州独自で既にかなりの部分でDNA法でデータ化されているようですが、我が国の状況は余り明らかにされていません(勝野)。
3. Das Braunkehlchen im Suederbergland und Westewald
ザウアーベルクランドとヴェスターヴァルト地域におけるヒタキ科鳥類(Braunkehlchen)
3.州内のWesterwald, Seuderbergland地区におけるBraunkrhlchen; について。
Braunkehlchen(BK)とは。
ヒタキ(ムシカ科)Saxicola rubetraの鳥類で2020年ドイツでレッドリストに載り、絶滅危惧種となっています。1987年、2023年にはオーストリア、ドイツで、その年の鳥に指定されました。
この鳥は牧野に生息する野鳥で希少性の高い野鳥です。鳥類連盟、ジーゲンヴィットゲンシュタイン鳥類保護連盟、州政府、連邦自然保護連盟(NABU)などにより生息域管理に関する専門家会議(Fachtagung)がNRW州の中山間地で行われました。
報告者=Peter Herkenrath他3名; peter.herkenrath@lanuv.nrw.de
この報告では、Dominik Schuessler氏(Siegen-Wittgenstein 生物ステ-ション)は、EUのライフプロジェクトで「ジーガー地方の文化と自然景観」と題して報告。現在絶滅危惧種となっている種の生態、生息域(森林や牧野、湿地、乾燥地など)の保護の必要性、開けた草地(ヒタキ生息地)の保護など、また、355haの草地(Grunland)の自然再生と鳥類復元(回帰)の報告を行っています。以下報告順にその概略を記します。
◆ Dominik Schuessler:Siegen-Wittgenstein生物ステーション所属;EUのLIFEプロジェクト
"文化的ー自然景観適地(LIFE4適合地域)を紹介、このプログラムはEUの気候ー環境プログラムの支援を受け進められている。この鳥類保護地域;ブルバッハ、ホルツハウゼン地区の森林・牧野でBKにとって極めて重要な地域で、EUの重要自然地区2000の結節地区7FFH地区(Netzwerkes)と27の自然保護地区を含んでします。LIFEプロジェクトでは6年間420マンユーロの支援を受け、鳥類保護地域の森林や開けた牧野に生息する種の生息域を確保しています。重要種は森林に生息する各種キツツキ類、開けた牧野でのヒタキ類;BKです。
◆ Sven Taitmann:「ドイツ鳥類保護連盟(DDA)所属主要団体」所属:はドイツにおけるヒタキ類の生息状況や個体数などについて報告。この種はユーラシア生息域の大半にあるドイツ(北部および東部ドイツ)に生息し、2011-2016年には19,500~35,000地域で、世界の生息数の0,5%に及んでおり、ヨーロッパ内ではクロヒタキ(Schwarzkehlchen)の生息域が広がる間にBKは愁傷している。BKにとっては、特にドイツの東部地域で湿生地が減少してきている。ヨーロッパレベルでは2000年代において、これまでにドイツで経験してきた減少の状況がみられる。
ドイツの減少傾向は1990年来、76%となっている。これは農業自体の集約化による影響(早期刈り取り、過剰施肥、生息地撤去など)に関係し、また地球温暖化やキツネ、アライグマ他の動物による被害も関係してくる。そのため保護管理計画が必要であり、NRW州でもBKに対しての保全・保護措置が求められる。北部地域では1994-2017年間に年3%大規模湿生地が減少してきており、その保全は必要である。
◆ Manuel Graf;Siegen-Wittgenstein生物ステーション、BK担当者
Bettina Graf
Franziska Schnidt
Dr. Klaus Fischer教授
Markus Kunz
Peter Herkenrath
4. Invasive neophytische Wasserpflanzen in Nordrhein-Westfalen
報告者=Andreas Hussner ; (Dr.論文;info@aquatischeneophyten.de
4.NRW州における侵略的水生植物(外来植物の異常繁茂)
5. Gewaesser im Klimawandel
5.気候変動時における水資源
報告者=専門家会議事務局 の編集; eva.pier@nua.nrw.de