水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

初詣・干支絵馬

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2017年 初春、明けましておめでとうございます。今年も毎年恒例の、初春早朝初詣に行ってきました。

 物の本によると「初詣」は元々「年籠り」といわれ大晦日の夜から元旦の朝にかけて氏神様に籠る習慣があり、除夜詣と元旦詣が合わさって初詣になったとあります。子供たちが家にいたころは、近くの氏神様(月読神社)へ年越しで家族揃って初参りに行きました。

 いつだったか越年初詣で明治神宮に行き、大晦日からカウントダウンをした後の、ものすごい初詣の人ごみに合って明治神宮二の鳥居から殆ど進むことが出来ず、一方通行の参道に立ちづくして数時間、やっと拝殿前に辿りつき早々にお参りをして帰宅したことがあります。その苦い経験後、初詣は新年の初日の出と共に出かけるのが一番と決めました。

 日の出前に自宅を出て丁度経堂を過ぎる辺りで初日が昇りました。初詣のルートは赤坂日枝神社明治神宮。赤坂日枝神社は江戸東京の三大祭の一つ、山王祭で有名な神社の一つで大山咋神が御祭神、庚申祭(申・猿を祀る)も有名です。毎年、いろいろな形や図柄の干支絵馬が出される絵馬展でも有名です。その内のいくつかを買い求め家に飾っています(写真参照)。

 干支絵馬は神社の参拝時にいろいろ祈願をする一つとして神社に寄進したのが始まりといわれています。京都北野天満宮の絵馬堂は有名ですが、どの神社にも祈願・寄進された絵馬が掲額されています。現代は干支絵馬や祈願絵馬がありますが、もともと絵馬は神社や寺に祈願するとき奉納する絵が描かれた木の板です。神が馬に騎乗した姿で現れることから馬が登場し、古く風土記の頃から既に神事で馬を献上することがあったとされ、以来馬の描かれたものでしたが、形を変えいろいろな絵が描かれて奉納されてきました。祈願絵馬は願い事を書きこんで絵馬掛に結び、願いが叶ったらお礼参りに訪れたり、家に飾ったりするもので平安の昔から続いてきています。

 二か所目の明治神宮へは赤坂から地下鉄千代田線で明治神宮前に移動し、JR原宿、南端の一の鳥居からL字型の参道に沿って歩き、二の鳥居から三の鳥居へ。南神門を潜ると拝殿前の広場に出ます。初詣の人並みは年越し参拝の大混雑が嘘のように少なく静かでゆっくりお参りすることが出来ました。

 明治神宮の森は隣接する代々木公園や神宮外苑と合わせ、今や大都市東京にとって規模的にも機能的にも極めて重要な緑地です。明治天皇崩御の後、林や畑であった土地に造園の先達が計画・造営に関係し植樹され作り上げられ維持管理され今日の深遠・荘厳で神々しい自然林中心の森になっています。2016年初詣の参拝者は317万人とされていますが、この歴史的経緯と今の緑の役割をどのくらいの人が理解しているか気にかかるところです。

 結婚して以来、我が家には全国各地の神社を巡り、参拝した折に買い求めた干支絵馬が、北は札幌・北海道神社から南は沖縄那覇の波の上宮まで数多くあり、家の壁一面を飾っています。今年も各地を訪れる旅の折に各神社で絵馬を買い求め家内安全、健康第一を祈願することにしています。同時に神社の位置や自然と歴史文化を鑑賞し学びたいと思っています。