水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

間もなく雛祭り

 大学を離れてもう何年になりますか?2014年に定年で退職しましたから、もう8年になります。現役の時代、大学の付属機関で学生に実習を教えたことを懐かしく思い出しています。大学に入って日も浅い新入生に「生物資源科学実習」の説明をし、選ばれた学生(選択で登録制)に4泊5日の実習。場所は学部の付属施設で、富士宮田貫湖畔にある富士自然教育センター(FNEC)でした。実習メニューは、センターの自然資源(森から水辺まで)を活用し維持管理、育成・管理実習やそれに関する座学(講義)を行いました。学部や学科の特性を生かした、有意義な実習であると今も考えています。残念ながら今は出来なくなっていますが復活させたいものです(現在はコロナの影響もあり中断中)。

 既存の施業林(スギ・ヒノキ林)の下刈り、間伐、それに伴う電動工具・機械の操作体験等など。学生にとって、今まで全く体験の無い活動を夕方まで判別行動で行うものでした。 とりわけ根元の直径が20-30cm・樹高25-30mの針葉樹をチェーンソーや鋸を使って林内で切り倒す、切り倒した樹木を林外へ搬出し長さ2mで切りそろえる実習は、学生にとって初体験で興味を湧き立たせるものでした。

 その「材」を使って別の実習で行った「フィギアー作り」も興味あるものでした。季節に合わせた行事で見られる人形などを作り出すもので、例えば雛祭りの内裏・お雛様、クリスマスのサンタクロースなどです。作った作品は、作者の学生が各自持ち帰ったり、学部の湘南キャンパス・コンコースに飾ったりしました。

関連記事は湘南陽一路不惑 p183-185、藤崎健一郎先生の「勝野先生のアイデアと行動力に学んだこと」:参照)。

 作り方は、間伐材を30-40cmに切り、頭部・顔に当たる部分を斜めに切り落とし、樹皮を剥がして簡単に磨き着色、顔や衣服は各自の想いを込めて作り上げる物でした。共同作業、手作り、間伐材の有効利用、美的センスの表現など多面的な効果を狙っての実習でした。当時、教える側にあった私も、学生と共に作成し装飾して持ち帰りました。 

  (写真参照;自作の🎎内裏・お雛様; 毎年その時期に玄関前に飾っています