水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

海外雑誌でのニュース 6-2

  雑誌の最初の数ページはNRW州のほか、EU、連邦、ドイツ他の州などにおける自然保護、種や生物多様性保護に関連するニュース、トピックス記事などがまとめられています。この号では14項目挙げられています。興味のあるものを2-3挙げました。

 

 1) 連邦環境省が野生保護地区(Wildnisgebiet)の必要性を提示しています。州面積の2%の用地を確保し保護地区を生み出す提案です。そのため、今年から年間1000万ユーロで野生保護基金(Wildnisfonds)を設立、と大臣(Svenja Schulze)が発言しています。ドイツ自然保護連合(Deutschen Naturschutzring;DNR)のLeif Miller会長も、それと呼応して環境保全・保護の意識が高まる中、非常に大きな意味を持つ、と評価し、可能な限り早くドイツ全土で30,000haの自然遺産(Naturerbe)を達成したいと述べています。

 

 2) ドイツ連邦内閣で6月6日、環境省大臣から”都市の自然マスタープラン;Masterplan Stadtnatur"が提示されました。連邦政府は都市内において、種保護、ビオトープ多様性確保の26の指針を掲げ、自然豊かな、緑の生息空間(naturliche, gruenelebensraeme)を生み出し、動植物だけでなく都市住民の緑のオアシスとレクリエーションのために活用するとしています。市町村、コミュニティーレベルでの景観計画(Kommunale Landschaftsplanung)を強化するため連邦自然保護法の改正が必要であるとしています。ドイツ自然保護協会(Naturschutzbund  Deutschland)は合わせて ”都市自然保護白書:Weissbuch Stadtgruen" の目標設定を見直すよう指摘しています。

 

 3)ルール地域協議会(Kommunalverband Ruhr) の自然と緑地帯の強化施策はより広範に進めるべきで、「2030緑のインフラ整備:Offensive Gruene Infrastruktur 2030」計画は、緑のインフラを具体的な行動計画(Aktionsplan)で行うべきであるとしています。

この地域では既に2027国際庭園博:International Gartenbauausstellung;IGA)が決まっておりその計画が着実に進められ緑地整備が進められています。筆者注)

この中では、広く環境保護とも連動させ、雨水貯留(浸透舗装、雨水桝設置など)、大気浄化・都市気象改善:気温・湿度調節からレクリエーション活用まで含まれ、幅広い行政的対応による広い都市環境改善が進められます。

 

 4) NRW州で3カ所目のオオカミ保護区(Wolfsgebiet)が生まれたニュースです。 Eifel 国立公園内でベルギーとの国境地帯でもあり、緩衝地帯(Pfferzone)で囲まれた森林地帯です。関連ニュースは、www.wolf.nrwを参照してください。