水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

はんこ・印鑑・サイン 今時の事情

 印鑑(はんこ)。我が家では今も現場で重要、使ってます。荷物の受け渡しで「印」が求められますし、それ無しでは済みません。お中元の季節、有難く受け取る時、感謝の念を込めて配達の人にお礼を言いながら押印します。薄い紙きれ(受伝票)にサインはし難く、やはり印鑑でしょうか。朱肉が付いた認印。現状では一番使われている印鑑です。丸いのもあれば楕円形もあり、姓だけのもあれば姓名両方のものもあります。 

 印鑑にも、いろいろありますが現在の社会情勢で公式に印鑑が使われる場面は少なくありません。財産や大金を取り扱う場面での書類などには、登録された印鑑が用いられます(実印ー実印登録)。そんな印鑑は人生の中で数回(?)しか使われないかもしれません。実印を度々使用する事態が起こることは、良くも悪くも人生の中での重要な取引や関係づくりに何度も出会うことを意味しています。

 認印でいろいろ日常生活を動かしているのは、先に書いたように、物を出したり受けたりする時でしょう(役所や、銀行(銀行印)、郵便局、会社(会社実印・会社銀行印・会社認印)、学校等々)。出勤簿、出席簿、各種書類の担当者印、確認・承認印等々使われ方により、印鑑の材質、形、大きさ、書体(印相体、篆書体、古書体)などいろいろあり、使い分けがされます。

 2020年(令和2年)とんでもない事態になっています。世界的に大流行し、政治から経済、社会の動きを根底から変えてしまう感染症の大流行です。当初、新型肺炎ウイルス感染症・コロナ、インフルエンザの変わり種、位で軽くしか感じていなかった、考えていなかった病気だったのです。それが日本全国、否、世界中に拡大蔓延し、43万人以上の死者を出してしまっています。

 社会的な広がりを防ぐために非常事態宣言が発令され、3蜜(密接、密集、密閉)の禁止、徹底化のため、会社や学校の閉鎖、イベント、映画・音楽・演劇等鑑賞の中止、コンパ飲食・会合パーティーなど「人の塊、集合」が禁止になってしまいました。

 会社では、業務上の商取引も通常でなくなり、人を介して進んでいた書類・文書処理も出来なくなる有様です。人が会社の部・課・係で自由な交流が出来ず対策(テレワーク)

が求められることになりました。

 事ここに至って「印鑑」による文書処理が、人を介しての対応が出来ないことで問題となり(テレワーク)、その対応策を考えるようになりました。社会のいろいろな分野でのデジタル化が進められ、これまで以上に印鑑の意味が変わってきます。

 海外では、そのほとんどが「自著サイン」で動いていますので、この事態に対して時間的な処理の問題はありますが、業務上の煩わしさや困難さは無いのでしょうか。印鑑は、こんな時代ですが社会の中で、私たちの身の回りで、まだまだ重要な位置を占めていますが、これから少しづつ形が変わってくるかもしれません。

 

 日本の社会の中で「本人確認」が印鑑で行われる場合、どうするかを考えなければなりませんが、「印」にも他にいろいろな使われ方、形があるため印鑑文化も多面的に考えなければなりません。「遊印」や「篆刻印」、「落款印」、「個人名印」など、日本文化の長い歴史の流れの中で捉え考え、残していかなければならないでしょう。

 今、年金族になった私は、以前のように複数の印鑑を使い分け、仕事をすることは無くなりました(金融機関の印鑑管理は家内が統括)が、絵手紙などの遊印、名前の略印などは積極的に使っていますので、これは大事にしたいと思っています。