水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

今年も吊るし柿

 2020年は、新型肺炎コロナウイルスによって引き起こされた病気の大流行、世界を巻き込んで歴史に名を遺す年になりました。100年前(1918-1919)のスペイン風邪世界大流行もコロナ禍同様、膨大な感染者数、死者数で衝撃的なニュースとなり、その名を今も残しています。1次、2次、3次と断続的に流行の波が押し寄せ、1年を通して社会を混乱させています(日本では1918-1920年、1次で2100万人以上、2次で21.7万人以上が罹患)。

 そんな年でも自然の恵みはコロナ禍をものともせず、季節の変化と調和しながら着実に生み出され、人々に実りの恩恵を与えてきています。秋は実りの秋、青空が美しく馬も肥える秋、四季の移り変わりの美しさ、中でも美しい紅葉が見られる日本(嬉)。

 

 毎年同じ時期に、同じように故郷の秋の実りの便りが届きました。甘柿の富有柿と干し柿用の渋柿(百目)です。例年通り、私一人で100個に及ぶ渋柿の皮剝き。多少の柿渋と闘いながら一気に皮を剥き、吊るし紐を付けました(添付写真;奮闘する主人)。

 同じ日の読売新聞夕刊には山梨県甲府市干し柿(枯露柿)生産者の記事「天日浴びて甘~く成長」が写真付きで掲載されていました。渋柿の品種は「大和百目」「甲州百目」とあります。私の所へ来た渋柿も「大和百目」です。朝から夕方まで脇目も振らずに皮を剥き、途中で出来たものからベランダの物干し竿を改良した吊るし竿に掛けました(添付写真)。ベランダ軒下の竿に吊すことは夜の暗闇では無理で、次の日の午前中にしました(添付写真;軒下に吊るす人)。

 昨年も野鳥の侵略(果肉を啄み食べる)を防ぐ網を付けましたが、目が粗くて小さなメジロは容易に潜り抜け、美味しく熟れた干し柿を啄んでしまいました。そのため、今年は目の細かい防雀網にしました(きっと大丈夫でしょう)。

 

 ある時は軒下で吹きっ曝しの凩に震え、またある時は小春日和の陽射しを浴びて甘さを凝縮させ、小1か月で元の1/5位の大きさになり、白い粉を浮き上がらせ焦げ茶色した干し柿になります。

 年が改まると、首を長くして待っているドイツの友人はじめ旧知の友人らに配って旧交を温めます。今年も自家製干し柿の出来が楽しみです。

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