水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

春の息吹

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 令和3年、2月下旬。関東地方は晴れ間が続き気温の高い日が続いています。春先の気象は三寒四温で日に日に春めくと言われていますし、かっての日記帳を紐解くと3月下旬、卒業式の頃に春の雪が積もったこともあります。突然の季節の逆戻りは、それほど珍しくありません。季節の移り変わりと異常気象は多かれ少なかれこれまでにも度々見られたことでもあります。

 21世紀に入って地球温暖化が地球規模で問題になり、北極の氷が溶けだすことや地球に存在する氷河の後退、動植物の生息域変化などが珍しくない状況になって来ています。それに合わせ、地球温暖化を引き起こしていると考えられるCOの排出規制や再生エネルギーの推進が叫ばれて来ています。21世紀の生活環境を考える上で避けて通れない問題です。そのような長期的重要課題がある中、昨年から地球規模で突如出現・流行し、世界的猛威となっている新型肺炎コロナウイルス。治療薬の無い病に急遽ワクチンの製造、接種が世界的に現下の最重要課題となっています。

 ”Think globary, act locary" が標語となって久しいですが、改めて具体的かつ真剣に取りざたされる今日この頃です。

 

 そんな世情、陽気の中で我が家の小さな庭を見ていると、気候変動や異常気象などと殆ど関係が無いように季節が移り変わり、何もなかったように自然が動いています。この記事は関東地方、神奈川県内陸部、多摩丘陵地形が残っている所での、陽射しの良く差し込む小さな庭での現象です。

 真っ先に蕗の薹が芽吹き、暖かに急かされて花を開いてしまいました。それと同じころからクリスマスローズが芽を出し花径を伸ばして咲いています。開花した花は良く実を結び次の年に実生苗を生み出します。庭石の狭い間から芽吹いた株は3年目で見事な株になって石の間を飾っています。 2-3年前から冬の室内でその生育を見届け、花開いて芳香を漂わせたヒヤシンスを地に下ろしたところ、毎年(今年までか?)夏を越した球根が芽を出し花房は小さくなっていますが可憐な花(ピンク、紫、白など)を開花させました。ず~っと以前に球根を買って植えたムスカリは株こそ小さくなってしまっていますが毎年一番最初に短い花径を伸ばし、薄紫の粒々状の花房を見せています。

 家を建てた45年前に千葉市郊外の雑木林から採ってきた春蘭は常緑の細い硬めの葉を密生した間から柔らかな早緑色の花茎を持ち上げ、紫色の細い線の入った良い香?の花を咲かせていますし、同時に植えたホウチャクソウエビネランもほんの少し芽を動かしています。草丈や花の形や色の異なるいろいろな水仙があちこちから花径を伸ばし咲いています。 2年前に小田急線の沿線開発地残地に押しやられてはいましたが、健気に花を付けていたショウジョウバカマ。道端から株を少し持ち帰り陽の良く当たる軒下に植えました。定植直後には枯れてしまったかのように全く形が無くなってしまいましたが、今年になって春先の暖かさにつられて芽を吹いてきました。枯れて無くなったと思っていましたが、やはりしっかりした地下茎は生きていました。花を付けるのが楽しみです。同じような野の花のカンゾウヤブカンゾウも昨年の葉だけを残し、プランターの中で新しい葉を沢山広げだしています。ともに夏前の花が楽しみです。

 

 庭木ではまだまだ葉っぱは出ていませんが、細かい毛のようなものに覆われたコブシの蕾が今にも咲きそうですし、毎年気の毒な位、強剪定されるウグイスガグラも可憐なピンクの小さな花を付けています。庭の主のヤマザクラブナヒメシャラは全く葉の欠片もありません。本当の春の訪れはまだまだ、と言っているようです。

 

そんな中、シジュウカラが昨年の巣箱の偵察にやって来ていますし、ヒヨドリは最後に残ったマンリョウセンリョウの実を必死に啄んでいき、見事に無くなってしまいました。

 春は確実に、着実に、少しづつ少しづつ近づいてきています。