水と緑と自然、それは「にわ」

都市や農村における緑地の在り方、自然環境の資源とその保全、「にわ」の設計と維持・管理

花は誰のもの、街の花は誰がどうするの?


 いよいよ風薫る五月、ゴールデンウイークが始まります。今年は季節の移り変わりが地球温暖化との関係か、10日か2週間早く変わって来るようで、春を告げる桜前線も日本を縦断するのが早かったようで、全国各地で見ごろが早い展開に驚いていました。

 全体がこのように普段の年より早く移り変わってきて、躑躅ツツジ)や皐月も同様、各地の開花の名所(庭園や公園など;良く知られている根津神社や箱根の某ホテル庭園など)でも同様の動きのようですね。ツツジ類の種類は自生種、園芸種、大変沢山あります。

生育地が名前についているものも少なくないですね。今、朝ドラで話題になっている牧野富太郎の植物図鑑を見てみます。ツツジ科の植物は、1809番のイソツツジから1875番のアクシバまで66種載っています。一般的なサツキツツジ、オオムラサキは記載されていますがハコネツツジ、キリシマツツジ、クルメツツジなどは「種」として記載されず、園芸種(ver.)としてサツキツツジ(略;サツキ:(Rhododendron indicum Sweet)で示されています。花の色や形で沢山のサツキがあるようです。

 

 家の近くや公園、街路などに多く見られるオオムラサキは、この時期に紅紫色、白やピンクの大ぶりの花を付け咲き誇っていますが、一般的に花木は花後剪定(刈り込んだ後)、新芽を伸ばした夏までの枝が熟す期間に次の年の花芽を付け大きくなり、翌春に見事な開花景観を作り出します。つまり、開花後の生け垣や株物の管理次第で翌春の花咲きが決まるのです。花木はこの花後剪定時期と方法が大切なのです。

 植木屋さん、造園業者や緑地計画者などは、このことを十分理解している(?)と思いますが。設計、計画。施工する人たちも当然、このことを知ったうえで計画しているはずです。

 

 家の近く、区センター街に続く街路の脇、ケヤキの街路樹の下に、このオオムラサキの低木植栽帯があります。ケヤキの萌える若葉色と調和して、薄緑色の葉の上に綺麗な紅紫色の絨毯を敷いたように見事に咲き誇っているオオクラサキ。見事な街路景観(花のロード)を見せています。 でも、その先を進むと・・・・・・・・

 低く刈り込まれて緑の葉が多い見通しの良い、枝の薄茶が目立つ同じオオムラサキがあります。ほんの少し申し訳なさそうに(頑張って)花を付けています。 

   どうして?  なぜ?  この対比は何?  (添付写真参照

 

 維持管理業務を出した区の管理者の意向? 作業を受けざるを得なかった管理業者のせい?

  でも同じ地区・場所・街路で数100mしか違わないのに? 道沿いに住んでる人はどう感じ、考えるでしょう。

花だけの問題ではありません。街路樹の樹形、枝ぶり。公園や河川に沿った住宅周りの樹木の枝も同じような取り扱いを受ける場合も少なくないのです。サクラやケヤキの枝、落ち葉、日陰などなど。 町の緑の充実を考え、実行して来ている専門家でもその答えには苦労します。